01.「コーヒーかすマルチ」で地温は上がる?

当農場ではビニールマルチの代わりに、野草や米・麦ワラ、籾殻などの有機物をマルチ素材として活用しています。

有機物のマルチはビニールマルチと違い、実にさまざまな優れた効果がありますが、今のところの自分の理解では、残念ながら地温を一定に保つ効果はあるものの、ビニール黒マルチのように地温上昇は見込めません。
夏の果菜類などは、初期生育が全体の収量を左右するといわれるため、有機物マルチで黒マルチのように地温上昇効果が見込めるものはないか考えていたところ、色の黒っぽい有機物としてコーヒーかすの活用を思いつきました。

ざっと思いつく限り利点は3つほどあります。

1、日常的に手に入りやすい
2、分解が遅い(マルチとして長く持つ)
3、粉状なので保管しやすいしマルチとして扱いやすい
4、草の発芽抑制効果がある

事前にコーヒーかすをマルチし、晴天の日を選んで地温上昇効果があるかどうか温度を測ってみました。

 

コーヒーかすマルチ区(左)とマルチなし区(右)の地温を測る

 

【実験方法】
1、コーヒーかすを軽く一つかみマルチする
2、晴天の日の日中に地温計で表層の地温を測る(深さ2センチちょっと)
3、マルチしていない部分(すぐ横)の地温と比べる

使ったコーヒーかすは、湿っていると黒っぽいですが、乾くと色が薄く茶色に近づくため、黒マルチのように太陽熱を吸収しないかもしれないと思いましたが、温度を測るとコーヒーかすマルチをした部分はしていないところより1.5〜2度弱も地温が高くなるという結果になりました! これは使えるのではないでしょうか!?

コーヒーかすマルチ

コーヒーかすマルチ区の地温は1.5〜2度弱ほど高い!

 

ただ、もちろん課題もあります。
1、コーヒーかすをマルチする量(厚さ)
厚さをどのくらいにすると最も地温上昇効果が高くなるか。

2、風に飛ばされない対策
コーヒーかすは乾くと軽くなり風に飛ばされやすくなる。

3、抑草効果を発揮する厚みはどのくらいか?
薄いと草が生えそうだし、炭素率が高く分解に時間がかかるため厚くしすぎると次の作物を作付ける前にすき込むのが心配(堆肥化しておけばいいかもしれない)。

 

今年のナスに実際に使ってみることにします。

 

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