畑で出会う生き物たち

キアゲハの幼虫

キアゲハの幼虫

畑で仕事をしていると、いろんな生き物が目に入る。

だいたいは、作業に集中しているので、野菜を食べる生き物に目が行きがちだけれど、ふと一呼吸入れたときや、ちょっと視線を変えてみたときなんかに、いままで見たことのない生き物や、見たことがあっても気づかなかった姿などに触れられる。

この間は、キアゲハの幼虫が蛹になろうとしているところを見つけた。キアゲハの幼虫はニンジンの葉を食べるのが好きで、もりもり食べられてしまうと茎だけが残ったなんとも哀れなニンジンになってしまう。家庭菜園でニンジンを育てているときから、毎年、必ず出るけれど、いつも数本がやられる程度で大した被害にはならないから、食べているところを見つけても放置。どちらかというと、
「いっぱい食って、綺麗な蝶になれよー」
と応援しているときがあるくらいだ。

夜盗蛾(ヨトウガ)や蕪夜蛾(カブラヤガ)などの蛾の幼虫を見つけたらすぐに潰す身としては、これは命の差別じゃないかと考えたこともあったけれど、蛾の幼虫の食欲は凄まじく、放っておくとあっといまに野菜が全滅してしまうから、どうか許し給えー。お前が生きるために野菜を食っているように、こっちも生きるために働いているわけなので、これは俺とお前(蛾の幼虫)との人生(虫生)をかけた真剣勝負。農薬をぶちまけて抹殺するようなことはしないけれど、見かけたら放っておくわけにはいかねえ。

とまあ、最近はこんなことを考えている。

さて、キアゲハの幼虫に戻る。見つけた幼虫は、ニンジンの脇に敷いた麦わらにくっついて蛹になる準備をしていた。普通、外敵から身を守るために立っている植物の茎や木の枝なんかで蛹になるのかと思っていたけれど、この幼虫は地面に横たわっているわらにしがみついて姿を変えようとしている。そんなんじゃ、誰かに喰われちまうぞ。

そう思って、わらを立ててやった。といっても、麦わらなんて弱っちいから、強く地面に刺すことはできないので、ちょっと強い風が吹いたら倒れちゃうだろうけど、やらないよりはマシだろう。
無事に蝶になれるかどうかわからないけれど、がんばれよー。

続けて大豆畑に移動し、枝豆を収穫しようとしたところ、葉に見たことのない生き物がいた。顔の部分はカマキリを細くしたような、蚊をでかくしたような、そんな感じで、羽が生えている。特徴的なのは胴で、反り返るようにくるっと丸まっていて先端がサソリのようになっている。なんだ、こいつは、かっこいいぞ!
ひょっとして、おれを威嚇しているのか?

正体不明の生き物(大豆畑にて)

正体不明の生き物(大豆畑にて)

Googleの画像検索で調べてみたけれど、調べ方が悪かったのか、こやつの正体を突き止めることはできなかった。足元に残さのようなものがある。脱皮をしたばかりなのかもしれない。

うーん、こいつの正体が気になる……。

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