栽培方法についての情報公開

最終更新日:2019年4月10日

当農場でどんな資源や材料、方法、考え方で作物を栽培しているかについてご案内するページです。

有機農法や有機栽培といっても、その根幹は共通しているとはいえ、ひとつひとつの栽培方法や考え方などは栽培者によって違います。そこで、当農場の作物に興味をもってくださった方々に向けて、それらがどうやって栽培されたものなのか、なるべくかみ砕いてご案内するページを設けることにしました。
ご購入を検討される際、判断基準のひとつにしていただければ幸いです。

少しずつ項目を作りながら、できあがったものから順番に公開していきます。

もくじ

種の入手先

種屋さん

以下の種屋さんなどで在来種・固定種の種を中心に購入しています。
(その年によってどの種をどこで買うか変わります)

▶︎▶︎栽培している野菜の一覧はこちら

野口種苗研究所
つる新種苗店
自然農法国際研究開発センター
光郷城畑懐
松尾農園

自分で種を育てる

なす、在来青なす、おくら、ピーマン、甘唐辛子、きゅうり、大豆、麦などを中心に、自分で作物の種を育てるように採って使っています。種を採る作物の種類を少しずつ増やしていきたいと思っています。

JA(農協)直売所、スーパーマーケット

ジャガイモや生姜、さつまいも、にんにくなど一部のものはJAの直売所やスーパーマーケットで種(種イモ)を買っています。

農薬

化学合成のもの、自然由来のもの含めて、農薬は一切使っていません。

肥料

米ぬか、堆肥、稲わら、麦わら、野草、緑肥作物、落ち葉堆肥(自作)、自作の液体肥料
当農場の自作液体肥料の作り方はこちら
ここでいう肥料とは、作物が健全に育つ環境を整えるために使うもののことです。当農場では化学肥料(化成肥料)は使っていません。

入手先

●米ぬか
当農場の田んぼで取れた米を自宅で精米した際に出る米ぬか、地域のコイン精米機から出る米ぬか

●堆肥
隣の小川町にある有機農業の仲間が始めた小川堆肥組合の堆肥を中心に、一部、自作の堆肥(材料はもみ殻、野菜くず、米ぬか、落ち葉、野草など)も使っています。
小川堆肥組合の堆肥の材料は、木の枝、落ち葉、もみ殻、草、米ぬか、水などです。

●稲わら
当農場でとれたものです。

●麦わら(小麦と大麦のわら)
当農場でとれたものにあわせて、近隣の農家から譲ってもらうものを使っています。

●野草(雑草)
当農場の田畑に生えてくる草を刈り取ったものです。
→野草のおもな使い方「草マルチ」についてはこちら

●緑肥作物
イネ科やマメ科の植物の種をまき、一定の大きさになったら細かく砕いて土に還すことで田畑を肥やします。こうした田畑を肥やす効果のある植物を緑肥作物といいます。

自作のもの

●落ち葉堆肥
地域で集めた落ち葉に水と米ぬか、野菜くずなどを加えて「踏み込み温床」として発酵させたもので、腐葉土のような性質を持っています。落ち葉についた自然の有用菌が働き、作物が健全に育つのを手助けしてくれます。当農場の縁の下の力持ちです。
▶︎▶︎踏み込み温床づくりについてはこちら

●もみ殻堆肥
当農場の米のもみ殻や地域の農家から譲ってもらえるもみ殻に、野菜の収穫残さ、米ぬかなどを積み重ねて堆肥化したものです。

●液体肥料
作物の収穫残さや野草などに水と米ぬか、地域で採取する自然界の発酵菌などを混ぜて発酵させたものです。液体肥料なので、雨が少なく乾燥しているときなどに補助的に使っています。

▶︎▶︎当農場の液体肥料の作り方「自作の液体肥料 作り方」

苗の育て方

種まき

●苗を育ててから植える場合
水稲用の育苗トレーに紙のポット(ペーパーポット)をはめ、そこに自分で配合した育苗用の腐葉土を入れて種をまきます。
ペーパーポットは日本甜菜製糖株式会社のニッテンペーパーポットを使っています。

▶︎▶︎ニッテンペーパーポットのご案内はこちら(日本甜菜製糖株式会社 紙筒事業部のホームページ)

●畑に直にまく場合
種まききのごんべえを使って種をまきます。

ごんべえについて詳しくはこちら(メーカーの株式会社向井工業のウェブサイト)
http://www.mukai-kogyo.co.jp/about

育苗用の土づくり

育苗用の土は、地域で集める落ち葉と米ぬかに水を混ぜて半年から1年(長いものは2年)寝かせて発酵させた腐葉土に、山の土(または畑の土)、もみ殻くん炭(もみ殻を焼いて炭にしたもの)を混ぜて使っています。
腐葉土は、踏み込み温床を作る際にできるものです。

踏み込み温床とは?

踏み込み温床とは、冬(2月ごろ)に、春や夏の野菜を育てるために作る伝統的な温床です。当農場では、木の杭や竹、稲わらで枠を組み、そのなかで落ち葉と米ぬかをサンドウィッチ状に積みながら水をかけて足で踏み込む、という作業を何度も繰り返して発酵させ、その発酵熱を利用して冬から初春の間に春や夏の苗を育てます。

▶︎▶︎当農場の踏み込み温床作りに関する田んぼ・畑日記はこちら

そのとき手に入る材料を組み合わせて作るので、年によってはおからやコーヒーかす、平飼い養鶏の鶏糞、木の枝を細かく砕いたもの、もみ殻、麦わら、稲わらなどを使うこともあります。

踏み込み温床づくり

竹と稲わらで作った踏み込み温床の枠

踏み込み温床

集めた落ち葉を枠のなかに入れて踏み込みます

春になって気温が上がると、使い終わった温床を解体して枠の中の腐葉土を積み上げておくと、半年から1年ほどの時間をかけて、さまざまな生き物たちが落ち葉を分解し、良質な腐葉土へ変えてくれます。

踏み込み温床でできた腐葉土で生きるカブトムシの幼虫

踏み込み温床の落ち葉を食べて生きるカブトムシの幼虫

苗の植え付け

●紙マルチ
苗を植えるとき、雑草を抑えたり、土の水分を保ったりするために、農業では一般にマルチと呼ばれるビニールの被覆材が使われていますが、当農場で使うマルチはビニールではなく、土から生まれて土に還る紙のマルチ(三洋製紙株式会社製造)です。

三洋製紙株式会社 畑用紙マルチについて
紙マルチの穴からニンニクの芽が顔を出した

紙マルチの穴から芽を出したにんにく

最近は土に還るビニールのマルチ(生分解性マルチ)もありますが、紙のマルチと比べると土に還りにくいようなので使っていません。

▶︎▶︎関連ページ

土から生まれ、土にかえる

●草マルチ、有機物マルチ
田畑で刈った草を集めて、植えた苗の周りや畝、通路に敷く草マルチや、草以外の有機物(もみ殻、堆肥、麦わら、稲わらなど)で被覆する有機物マルチも活用しています。

▶︎▶︎関連ページ

草マルチの多様な効果
麦わらでマルチしたサニーレタスの畝

麦わらでマルチしたサニーレタスの畝

草の抑え方

上記の紙マルチや草マルチを含む有機物マルチのほか、以下の方法で草を抑えています。

●リビングマルチ
野菜の苗と苗の間(通路部分)に大麦や小麦などの種(食用に適さないクズ麦)を通常より多めにまいてびっしり生やすことで、草を生えさせないようにする技術です。生きているマルチ(被覆材)ということで、リビングマルチと呼ばれています。

●手や三角鍬でとる
草が小さいうちは、三角鍬で土の表面を削るようにして草を取ります。大きくなってしまったものや、狭いところの草は手で取ります。

●草刈機で刈る
わざと一定量の草を生やし、その草を刈り取って土に還すことで畑を豊かにすることを狙う場合は、ガソリンエンジンで動く草刈機(肩に背負うものと、車輪のついたもの)を使って草を刈ります。

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