おとなにないしょで勝手に種をまこう

書籍の編集者として働いていたころの先輩から久しぶりに連絡がきた。前の会社を辞めて、別の出版社で働くことになったという。2015年に産声を上げたその会社がチャレンジしたいこととして、ふたつのことを掲げている。

ひとつは「消費されないなにか」を生み出していくこと。

もうひとつは、少しでも多くの驚きに出会うこと。

→https://twovirgins.jp

その出版社から出ている「みんなのちきゅうカタログ」という作品の構成が秀逸だ。
子どもたちに向けた本で、子どもたちに伝えたい5つのこととして

①自分らしく生きる
②必要なものは、身のまわりにある
③すべてはそうぞうしだい
④すべてはつながっている
⑤たのしんで生きる!

を挙げている。これはまさに有機農業的な生き方だ。

①は特に説明は不要だろう。

②は、地域の資源を活用してさまざまなものを生み出す有機農業のひとつの大きな特徴だ。

③のそうぞうは、読んでないのであくまでも推測だが、想像であり、創造でもあるのだと思う。何もない、つまらない、退屈だと嘆くのではなく、おもしろいことややってみたいことなどを思い浮かべ、形にする。有機農業の世界が生み出す多種多様な産物や、それに不随する景観、風景、生き物などが思い浮ぶ。そして、それらはすべて、④のように確かにつながっているのだ。殺虫剤や殺菌剤をまいてつながりの連鎖を断ち切る、化学肥料と農薬が一体化した近代の作物生産業と大きく違うところだ。
そして何と言っても、生き物とのつながりは⑤のようにたのしい!

ワークシートの一部がウェブサイトで公開されている。その見出しが秀逸だ。
「おとなにないしょで勝手に種をまこう!」

やはり、生きる力の根本は食べ物そのものをどうやって手に入れるか、その力を身につけることだ。その力は机の上で得るものじゃなくって、やっぱり現場で感じながら体得していくものだ。

この本をつかって、親子参加型のワークショップをやってみたい。先輩も協力してくれるはずだ。

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