山と田畑のつながりを見せる水辺の食事会

今日は寄居オーガニックカウンシル主催のイベント「水辺の食事会」。といっても、もちろんこれはただ風光明媚なところで食事をする会ではない。

メガソーラー、耕作放棄、荒れる里山、獣の食害、農薬ばかりが語られる風潮、食べ物に関する無関心さ。ずっと消化不良だったこれら諸々を、どうすればうまく表現し、現場から距離のある人たちに伝えることができるのか、考えた末、ひとつのシナリオを作り、それに沿って参加者をご案内することにした。

悶々のひとつひとつを取り出して、これがダメだ、あれがこうだと話したところで、さまざまな利害が絡み合った結果が現状なのだから、単純に解きほぐせるものではない。

だから、どうしてそうなのか、どういう仕組みや因果なのか、全体はどのような像を描いているのか、それをひとつのシナリオに沿って話してみることにした。

今回の企画では、天から降った雨が山に染み込み、養分を含んだ水が川となって田畑を潤し、大河を形成して多様な生き物(=食べ物)を育む大海にそそぐ、その流れを擬似体験できるように、山をスタート地点としたコース設計にした。

そこから田んぼ、畑へとたどり、それぞれの現場で起こることを見たり、さわったり、匂いを嗅いだりと五感で感じなから、どういうことなのかを考えて自分の言葉で表現してもらう作業を取り入れた。

一方的に人の話を聞くのではなく、聞いて考えて、それについて自分の言葉で表現してみると、頭のなかが鮮明になることがある。なんだ、そういうことだったのかと、すっと入ってくることがある。

農薬は危険だ、危ないと叫び続けたところで、なんとなくそうだとは分かっているけど農薬を使った野菜が食べられ続けている現状は変わりはしないだろう。

そもそも、なんで農薬が使われるのか、その背景に目を向けて伝えることで、有機農産物とはどんなものか、どんな意味があるのか、それが浮き彫りになるのではないかと考えた。そこに自らの五感を使った体験が重なれば、ただの有機農場案内とはまったく違った響きを持つに違いない、そんな確信に近い感覚があった。

結果は(たぶん)悪くなかった。モニターとして参加してくださった方の表情や反応が、これからも続けていこうという気持ちにさせてくれた。

ご協力くださった皆様、参加してくださったモニターの方々、どうもありがとうございました。お陰さまでまたひとつ大きな学びに繋がりました。

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