手の傷・出血と「無農薬=安心安全」?!


農業を始めてから、ちょっとした怪我は日常茶飯事になった。何しろ回転する刃物とか、鉛筆くらいの太さの篠竹ならスバっと切れる鎌とかをしょっちゅう使うのだから、ある意味、当然だろう。

ただ、ちょっと怪我したくらいなら、何も処置はしない。水で洗いもしないし、ましてや消毒などもちろんしない。もともと、農業をやる前から怪我しても消毒なんてやむを得ない場合を除き、したことがない。

そうしていると、だんだん免疫が高まってくるからか、血がポタポタ滴り落ちるくらい傷口がぱっくりと開き、切り口に土や泥が付いていたとしても、しばらく放置しとけば膿んだりもせず、自然に止まる。

軽い炎症が起こることもあるけど、それは外から侵入しようとする敵を熱によって排除しようとする免疫の働きによるものだから、自分の体が正常に守られている証だ。

ただ、世の中の大半はすぐ消毒となるだろう。消毒を繰り返すと免疫の出番がどんどん失われ、次第にその力が衰えていく。するとますます薬剤に頼らなければならなくなる。使われないものがどんどん弱くなるのはよく知られたことだ。
その一方で、
「●●を食べて免疫アップ!」
みたいな話にはよく食いつく。これは咀嚼できない自己矛盾におちいっている状態だ。

消毒は大雑把に言えば抗生剤や殺菌剤を塗ったり噴霧したりすることで、農業でいえばまさに農薬の散布にあたる。自分の体の傷口を経由して殺菌剤や抗生剤を体内に入れておきながら、殺菌剤や抗生剤が野菜に付いているからと言って、一生懸命水で洗い流そうとする。

「医薬品は国の安全基準を満たしてるでしょ!」
という人がいるが、それは農薬も同じだ😥

農薬(薬)に頼らずに育つ(生きていける)生命力を養うことが肝要で、そうした強い生命力を自分の命の一部として取り込むから、健康な体が作られる。その結果、免疫も高まりさらに強くなる。人体の健康における安全安心とはそういうことだと思うのだが、農薬が使われているかどうかばかり騒ぎ立てられる。

なぜ農薬が使われるのか、どういう仕組みになっているのか、この重要なポイントを外してざわついていたのでは、農薬の有効成分や使用量などに多少の変化が見られるかもしれないだけで、根本的には何も変わらないだろう。

そもそも、なぜ無農薬というだけで安心安全なのか、そこがよくわからない。現代の食の安全を巡る問題は複雑怪奇で、無農薬というだけで担保されるような単純な話ではないはずだ。無農薬だから安心安全と言われてしまうと、おれたちの仕事が正当に評価されていないことになる。それは悲しい😿

有機農法を広めるということは、この自己矛盾の蟻地獄に陥った思考をすくい上げることだと言えるわけだが、酒飲んだ後のカップラーメン🍜最高!とかいってる自分自身の自己矛盾から脱出できる日は遠い😅 今年の夏もガリガリ君のお世話になるだろうし😀

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