問い続けた結果、生まれたもの
日曜日はよりい週末有機農業塾。11月10日(日)、寄居町で開催される産業文化祭に、よりい週末有機農業塾として出店し、塾生が自ら育てた野菜を自分たちで売るという、初の試みにのぞむための準備をした。
【広告】寄居町の皆さん、買いに来て❗【広告終】
11月10日というピンポイントの日に販売できる状態に育てるには、どの野菜の何という品種の種を、いつ、どのように播き、どう管理するか。
種選びから全部、塾生に投げて、自分たちで調べて考えながらやってもらうという、結構、難しい課題を与えた。
それが見事、形になって、おれは今、ひとりで酒を飲みながら涙腺を緩めている。
例えば大根。
担当したXさんが選んできた品種に
「なぜ、その品種を選んだのか?」
と問い、種をまく時に畝を立てると言えば
「なぜ、畝を立てるのか」
と詰めより
「水はけを良くするため」
と返ってくれば
「この畑の水はけの良し悪しをどう判断したのか」
とさらなる問いを投げた。(ほんとはもっと優しい口調のつもり🤭)
プランター栽培しかしたことのないXさんは、問われる度、かなり頭を悩ませていた。何しろ、やったことがないのだ。そんなに突っ込まれても、というのが正直な心境だろう。
でも、おれは問い続けた。自分で考えられるようにならなければ、自分で畑を作ることはできない。できるようにならなければ、お互いにとって意味のない時間を消費したことになる。人生の時間は有限なのだ。
結果として、Xさんは自分で調べ、考え、それを言葉で表現し、また考えるということを繰り返し、自分の答えを野菜という形にしてくれた。
Xさんを例にしたが、他の人も同じだった。
後半になって、野菜をビニール袋に詰めて売るかどうかという話になった。ゴミが増えることにモヤモヤしているある塾生が、個包装せず、量り売りなどを考え始めたところ、お客さんに
「(包装されてないので)どうやって持って帰ればいいのか」
「ビニール袋はないのか」
とか言われたらどうしようか、と誰かが言い始めた。
「ビニール使うってことは、どういうことなのか考えてるんですか?」
って返せばいいんじゃない?と別の人が笑いながら言い出した。みんな笑っていた。事あるごとに問い続けるおれの真似をしているのだ。
売る気あんのかよーって感じですよねー、とおれも笑いながら返したが、そういう一つ一つの小さなことにきちんと思考を向ける人たちが増えたことに、結構大きな喜びを感じていた。
5月から始まって6ヶ月が経った。
ずいぶん、いい場になってきたな。
いただいた感想