たくさんの命を奪って利益を得た

引き続き、刈払い機と万能鍬一本で畑を作っている。

農薬を使わなくても、ビニール資材を無頓着に使い続けたり、石油を燃やして農業機械を動かし続けたら、環境負荷が低減されることはない。

本当に環境負荷をかけない生き方とは何なのか、とにかく実践が重要だと考え、大きな荷物がなければ自転車で田畑へ向かい、畑では冒頭の通り、トラクターで耕さず、刈払い機で草を刈り、万能鍬を使い人力で土の表層を耕して種をまいている。

刈払い機はガソリンで動くから、ヒジョーに悩ましいが、トラクターに比べればはるかに小型で省エネであるし、土と生き物を壊さない。

ガソリンを使うと言っても、酷暑の中、1ヘクタールの畑を刈払い機でひたすら草刈りするのは、疲労困憊の極みで、ちっとも楽ではない。一日3リットルの水分を摂ると健康にいいと言われる中、その倍以上の水分を摂っても、足りやしない。

そんな中、まったく雨の降らない日々が続き、人参の種がまけない時間がただただ流れていった。

天気予報で、やっとまとまった雨が振りそうな気配になった。もう雨を信じるしかないが、万能鍬では間に合わない。草刈りだって追いつかないのだ。

トラクターをかけると、無数の生き物が犠牲になることを知ってしまったが、おれは人参(自分の利益)を優先して、トラクターを使ってしまった。この雨を逃したら、人参はまけない、お客さんにも迷惑がかかる。

2年ぶりくらいにトラクターで畑を耕した。すんごい楽だった。万能鍬が霞んで見えた。

その代わりに、はさみ虫の子どもたちがわんさか避難して、トラクターから降りたおれの足に登ってきた。

避難しきれたのは一部だろう。

それにはさみ虫だけじゃない。

おれは利益を優先したばかりに、目の前でたくさんの命が失われた。

おれは何をしているんだろうか。

生きるってなんだろうか。

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