先輩にあたる里山ぐるぐるスマイル農園さんに教わった草倒しを試している。
不耕起草生栽培を実践しているが、やり方を誰かに教わった訳でもないし、近くに手本となる人もいないので、試行錯誤と苦戦が続く。難しいところを挙げるなら、真っ先に出て来るのは、①草をいかに抑えるか、②耕さずにどうやって土を肥やしていくか、③直播の野菜の種をどう播くか、の三点だろう。
3つの点は関連が深い。今までは堆肥を入れて耕すことで有機物を増やし、あわせて草が生えないようにしてきた。頭を不耕起に切り替えてからは、常に草(緑肥を含む)を生やし、その力を借りて作物がよく育つ土を育てるという方向性で進めている。ただ、その土を育てるために生やしておいた草をどのように抑え、そこに作物の種を直播して栽培するのかが悩みの種になっている。
「首塚下」と名付けた畑の一角に、草がそれなりに生い茂っているところがあり、そこをどうしようか逡巡してきた結果、秋かぼちゃの種を播くことにした。冒頭に書いた「草倒し」の実践である。使わなくなったアルミの雨戸を草の上にのせて上から雨戸ごと踏み、草を倒して勢いを抑える。「草は刈るからまた生えてくるのだ」と言っている人がいて、なるほどなと思った。刈らなければ再生はしてこない。新しく発芽する草はあるだろうが、それは倒した草が草マルチのようになってある程度、抑えてくれる。そういう考え方とやり方だ。
雨戸をばたんと倒し、踏み踏みし、草を倒していく。倒すタイミングとしては、一定の長さ(腰くらいの高さか?)に伸び、草の種がつき始める頃がベスト。今回は種まきの時期を考えるとベストタイミングとは言えない状態での試行となった。
かぼちゃなので少し広い範囲の草を倒す必要があり、それなりに時間がかかったものの、ひとつ面白い発見があった。作業の都合で草の上に放置していた雨戸を持ち上げたところ、太陽の熱で草が蒸し焼きされたような状態になっていたのだ。ビニールマルチを使った太陽熱養生処理という草抑え兼「土づくり」の技術があり、それに理屈は似ているが、ビニールは直射日光を浴びてもそれ自体が熱を持たないのに対し、雨戸は金属なのでかなり熱くなる。その熱で真下の草が短時間で焼けたのだろう。
これは草抑えに使えるのではないか!?

ということで、さっそく薩摩芋の脇と、さや隠元の種をまく予定地に生えている草で試してみることにした。雨戸は6枚しかないので、薩摩芋は金属のトタンで代用した。このやり方がうまくいけば、真夏の草刈りに要する手間とエネルギーがまたぐっと減る。特にエネルギーについては最近、あれこれ頭を悩ませている。太陽エネルギーを植物(作物)の光合成を介して人間が吸収できるエネルギー(カロリー)に変換するのが農のはずなのに、現代の農業は電気や石油などのエネルギーを使いすぎている。1カロリー得るのにどれだけのエネルギーが投入されているのか。その収支はきっとマイナスだから環境負荷が増大しているのではないかと想像している。
トタンと雨戸はビニールを使った太陽熱処理と違って何度も使いまわしがきくし、ただ置いておくだけで、使い終わった後もゴミにならない。蒸し焼きになった草は土に還る。一度に広い面積には対応できないが、気温が高くよく晴れていれば、半日程度で効果が出るから、終わったら別の場所にずらせばいい。
いや、そもそも大規模志向の技術ではない。規模拡大しようとするから大量のエネルギーが必要になるのだから、もっと人間の体力(脂肪エネルギー)が活用できる小規模な耕作の思考を広めたい。それはエネルギーだけでなく、健康維持、防災、食料安全保障、ゴミ問題、教育などさまざまな分野の問題解決にもつながっていく。
さて、結果はどうなるか。

