里芋を植えた。里芋は沼地の出身なので水が大好きなのだが、最近の夏は雨が降らないので里芋にとっても過酷な環境である。去年は少雨というより、ほとんど雨が降らなかったので、悲惨な姿になった里芋は、わずかな芋を残して去って行った…。里芋、すまん!
今年はその対策として、今まで作って来た田んぼを畑地化し、そこに植えることにした。理由は水が使えるからだ。
今年は里芋や夏野菜の苗を植える関係で、秋に藁をすき込んだ後、広めに間隔を開けて緑肥のヘアリーベッチの種をまき、冬の間に地力を養うことにした。マメ科のヘアリーベッチには、空気中の養分を土に固定する働きがある。
春になり、昨日、ヘアリーベッチの間に里芋を植えようとして、目線を土に落としたところ、何かが違うことに気づいた。いつもの、この田んぼの春の風景を思い起こしてみる。そこは7年間くらい毎年、雀の鉄砲(スズメノテッポウ)が一面にびっしり生えるところだったのに、今年はほとんど生えていなくて、その代わりに畑地の草の白藜(シロザ)がわんさか姿を現している。まったく不思議なことである。
秋にすき込んだ稲わらが土に還り、そこにヘアリーベッチが固定する窒素が重なって、白藜が芽を出す環境が整った(地力が養われた)ということなのか。今まで生えてこなかった草が出てきて、違う風景を生み出しているのだ。
意識せず、離れたところからなんとなく眺めているだけだったら、ヘアリーベッチに意識が向かっていたこともあって、いつもと同じように見え、気づかなかったかもしれない。でも、そこはいつもと違っていた。そして、その違いは人間の手入れのしかたに起因していたのである。
外から眺めるのではなく、中に入り込むことで、同じだと思っていた風景が違ったふうに見えてくる。
田んぼや畑はいろんなことを教えてくれる。

