荒地再生炭焼きプロジェクト 炭で雪を融かす

炭をまいて雪を融かす
雪で真っ白になった畑
雪で真っ白になった畑。自分の影が写っている‥。

 

雪で畑が真っ白になった。

 

舗装道路上の雪は日陰の部分を除いてすっかり融けたけれど、土の上の雪は最低気温が零下ということもあって凍ってしまっているせいか、なかなか融けない。雪が残ったままでは、収穫も厳しいし、やりたいことも思うようにできない。さらに、吹き付ける冬の北風が追い討ちをかけるように作業を邪魔する。

 

ニンジンや大和芋、ごぼうなどは雪の下で眠っているから大丈夫だろうけれど、同じように土中にある大根は、凍ったり溶けたりを繰り返すうちに傷んでしまう。白菜も同じだ。

 

なんとか冬を越せそうな育ち具合のえんどう豆も、あまり雪が逗留するようだと、ダメージを受けてしまうかもしれない。

 

ということで、救出作戦を決行した。

 

まず、大根と白菜などは雪かきをして、雪から出してやった。一言で書くとこれで終わりだけれど、凍てつく雪の中、溶け始めて重くなっていた雪をスコップでひたすらかくのは、なかなか重労働だ。

 

ということで、ほうれん草やえんどう豆などの残りの作物は、炭の融雪効果を使って溶かすことにした。昨日、試しにもみ殻くん炭(もみ殻を炭にしたもの)を雪の上にまいてみたところ、今日の朝にはまいたところだけすっかり溶けていた!

 

炭をまいて雪を融かす
炭をまいた部分だけすっかり雪が融けた!

 

こりゃあすげえ! まきすぎると、土が強アルカリに傾いてしまうかもしれず、かといって少ないと雪が融けなそうなので、ちょうどいい塩梅ってのが難しいかもしれないけれど、こんなに簡単にとかせるのがありがたい。

 

炭をまいて雪を融かす
雪に埋もれたえんどう豆の上に炭をまく

 

もみ殻くん炭はまだわずかしか焼けていないので、前に焼いてストックしてあった篠竹の炭をまいておいた。こういう形で「荒地再生炭焼きプロジェクト」の炭を使うことは想定していなかったけれど、がんばって少しずつ焼いておいたおかげで、いくらかの助けになった。

 

ただ、炭の量は限られているので、まけるところは畑全体からすればわずかだ。あとは、自然にとけるのを待つしかない。

 

農業には忍耐が必要だということを思い知らされる。十分我慢できるだけの経営体力をしっかりつけておかないと、忍耐切れが恐ろしい。

 

雪が早く融けますように!

 

 

 

無煙炭化器と栗の毬(いが)で炭焼き

栗の毬(いが)で炭焼き

栗の毬(いが)を材料にして炭焼きをしてみることにした。

 

なにしろ、毬はそこらへんに転がっていると、刈り払い機で草刈りをするときに刃が滑るようにやや弾かれて刈りにくいし危ない。かといって、放置しておいても分解して土に還るのにたぶんすごい時間がかかる。焼却処分するのももったいない。ということで、炭にすることにした。

 

そう考えると、炭焼きの材料ってのは、結構いろいろなところにある。この栗畑ひとつだけでも、笹のようなやや固い下草、篠竹、栗の枝、栗の毬が使える。しかも、これらは毎年、一定量が再生するから、来年もまた焼ける。

 

まず、コンテナを使って毬を集める。トングなどで拾うと時間がかかるので、手に革手袋をはめて、手でかき集める(それでもたまにイガが刺さって痛い‥)

 

一定量集めたら、紙に火をつけ、よく乾いた篠竹をある程度入れて、炎に勢いを出す。それから毬をぽいぽい放り込んでいく。

手前が集めた栗の毬(いが)、奥がそれを焼いているところ
手前が集めた栗の毬(いが)、奥がそれを炭焼きしているところ

 

ただ、毬はよく乾いているので燃えやすいと思ったが、予想に反してスムーズに燃焼せず、炎の勢いが出にくくて、途中で燃えやすい篠竹を加えて炎を強めてやらないと煙が出やすくなってしまう。実際にやってみないとわからないものだ。

 

栗の毬(いが)で炭焼き
栗の毬(いが)が真っ赤に燃えているさまはなぜか見入ってしまう。

 

でも、邪魔だった毬がある程度片付いたのが大きな収穫だ。指にささった毬が取れないけど‥。

 

それにしても、この無煙炭化器は、あまり細かいことを気にせず、焚き火感覚でいろんなものを炭にできるところがとても気に入った。材料の調整も楽(いちいち切りそろえたりしなくていい)で、ぽんぽん投げ入れていけばいいだけ。

 

前半で燃えにくいもの(太めの枝など)を入れ、終わりに近づくにつれて燃えやすいものを入れていくようにすれば、燃え残りが出にくい。この点を注意すれば、材料を均一にしなくてもまあまあいける。

 

モキ製作所、すばらしい商品を開発してくれてありがとうございます!

モキ製作所「無煙炭化器」のすばらしさ

荒地再生炭焼きプロジェクトで変わった風景

こつこつ進めてきた荒地再生炭焼きプロジェクト。まずは自分が借りている畑と、その隣の畑との境界に分厚く生えている篠竹を刈ってちょこちょこ炭焼きをしてきた。
篠竹が生えている長さはだいたい30mちょっと。その半分弱くらいを焼き終わったので記念撮影。

荒地再生炭焼きプロジェクト
炭焼き前の風景
荒地再生炭焼きプロジェクトで変わった風景
炭焼き後の風景

ほぼ同じ場所から撮影したものだが、篠竹の影に隠れていた奥の家が全部見えるようになり、篠竹の壁がなくなったことで奥の景色がくっきりし、見通しがとてもよくなった。まるで別の風景のようだ。

『風景は百姓仕事がつくる』という本があるが、炭焼きがこの区画の小さな風景を大きく変えた。改めて一歩引いたところから刈った場所を眺めてみて、一仕事を終えた満足感に浸った。(まだ半分残っているのだけれど)

それにしても、この無煙炭化器という道具はすばらしい。特別な技術なしに焚き火感覚で簡単に炭焼きができる。しかも、篠竹のような、地域で邪魔者扱いされてきたものが炭焼きの材料、つまり資源として蘇る。無煙炭化器を開発したモキ製作所の偉業に改めて敬意を表したくなった。

篠竹伐採のため山林用チップソーを買う

山林用チップソー

山林用チップソー
荒地再生炭焼きプロジェクトのための山林用チップソー

出荷を終えたその帰り道、ホームセンターに立ち寄り、荒地再生炭焼きプロジェクトを進めるための強力な助っ人を購入した。

それは‥。

山林用の草刈りに使うチップソー(刈り払い機の刃)だ。

といっても、山の下草刈りとかをやるわけじゃない。

今まで、柔らかい草を刈るためのチップソーしかなく、それで2回ほどぎっしり密生する篠竹を刈り、「荒地再生炭焼きプロジェクト」の炭焼きの材料にしていた。草刈り用のチップソーでも篠竹を刈れないことはないけれど、密生しているもんだから、刈り払い機の出力をそれなりに上げないとちょこちょこ引っかかってスムーズに刈れない。

あまり出力を上げても危ないし、無駄なエネルギーがかかるのでよろしくない。ということで、しばらく前に師匠から聞いた「山林用のチップソー」のことを思い出し、買うことにした。これならきっと篠竹くらいならざくざく刈れるに違いない。そうすれば、炭焼きの素材集めもきっと少しだけ楽になるだろう。

ということで、さっそく装着して刈りに行ってみる。結果は後日‥。

無煙炭化器を使った第一回目炭焼き試験

無煙炭化器の炭焼き試験開始!
炭焼き試験の材料(軽トラ1杯分の篠竹)
炭焼き試験の材料(軽トラ1杯分の篠竹)

荒地再生炭焼きプロジェクトの記念すべき第一回炭焼き試験を、先輩農家とやった。このプロジェクトを心強く支えてくれる、モキ製作所の無煙炭化器を共同購入した先輩だ。

モキ製作所は、長野県にある子ども心をくすぐる「わくわく製品」を世に送り出している会社で、そのおもしろさはウェブサイトを見ればよくわかる。

モキ製作所のウェブサイト
http://moki-ss.co.jp/

さて、試験だけれど、何しろ、どんな材料をどのくらい投入すると、どの程度の時間で炭がどれだけ焼けるのか、やってみないとわからない。ということで、まずは先日、刈った篠竹を軽トラに積んで本拠地の畑へ運び、炭焼き試験をすることにしたわけだ。量はふんわり積んで軽トラ1杯分。

触れ込みによると、無煙炭化器をつかった炭焼きにかかる時間は30分から1時間程度。燃やす材料やその乾き具合などによってかわるのだろう。

無煙炭化器の炭焼き試験開始!
無煙炭化器の炭焼き試験開始!

ダンボールを焚き出しに使い、火がついたら運んできた篠竹をどんどん焼べていく。篠竹はほぼ生に近いものもあれば、かなり乾いているものもある。葉も落としていない。なるべく手間をかけずに炭焼きしたいということで探し出した道具がこの無煙炭化器なので、材料の選別や仕分けなどは一切しなかった。

たまに材料を一気に入れすぎて少しばかり煙が出てしまったことがあったが、それ以外は煙はでず、どんどん燃えていった。ただ、材料を投入していると、感覚としては炭焼きではなく焚き火だ。これで本当に炭になるのか、ただ燃やしてるだけなんじゃないかという不安もよぎる。

投入すること30分ちょっとで、無煙炭化器がいっぱいになるくらいの量の炭ができているような状態になった。今回の量の篠竹では炭化器半分ちょっとくらいの量の炭しか焼けないかもしれない、というのが始める前の想定だったけれど(とはいえ、たくさん焼けるんじゃないかという淡い期待ももちろん少しあった)、持ってきた篠竹が少しだけ残る状態で、炭化器1杯分を焼くことができた。

完全に消化して、歩留まりがどの程度か確認してからでないと正しく評価できないけれど、これでそこそこの量の炭ができるならば、伐採の手間、材料の量、焼く時間とその手間、荒地の解消などを踏まえても、プロジェクトの継続性は高いのではないかと思う。

なにしろ、鬱蒼と茂る邪魔な篠竹が畑を豊かにする素材に生まれ変わるのだから。

ただ、もちろん反省点もある。

改善すべき反省点
1、燃やす材料は大まかでいいので無煙炭化器の直径くらいの長さに切っておいたほうが燃やしやすい。

2、材料を詰めすぎない。消化の際、蓋が簡単に閉まるように、8分目くらいの投入量がいいか?

もともと焚き火が好きなせいもあるけれど、どんどん炭焼きして畑に炭を入れたいし、荒地が綺麗になっていく姿を目の当たりにすると、妙なやる気がふつふつと生じてくるので、試験終了後、さっそく次の材料確保として竹を伐採しにいった。

荒地再生炭焼きプロジェクト_炭焼きテストのための材料集め

荒地再生炭焼きプロジェクト
荒地再生炭焼きプロジェクト
この壁のようになっている篠竹を刈る

第一回目の炭焼きのための材料を集めるため、引き続き前回刈った場所の篠竹を刈る。

この篠竹、生えている範囲はさほど広くないけれど、ぎっしり密生しているため、ふつうの草刈り機一台で刈り払うのはなかなか手強い。草刈機を当てると手前はすぐに刈れるものの、手前を刈ったことで草刈機の勢いが少し失われ、その奥の篠竹に弾かれてしまう。

だから、少し刈ってはそれをどかし、それから奥を、という、少し面倒な刈り方になってしまう。さらにぶっといつる草(もはやその太さは草ではない)が篠竹に絡まっていて、それが草刈機に引っかかるもんだから、さらに面倒なことになっている。「荒地再生」などと言っているが、こんな調子では時間がかかって仕方ない。まあ、どんなものごとも、始めたばかりのころはいろいろ壁にぶつかるもので、すんなり行くことは稀だろうから、対策を考えて改善するしかない。

ということで、1時間ほど刈ってきれいになった空間は、畳1枚半くらい。うーん、これっぽっちか、と思いつつも、篠竹が生い茂っていて向こうの景色が見えなかった空間が綺麗すっきりした絵を遠くから改めて眺めると、達成感とともに、今まで無用どころか、邪魔者扱いされてきた篠竹が材料となって炭になり、それが畑の土を豊かにしてくれるってことを考えると、わくわくするわけだ。

荒地再生炭焼きプロジェクト
刈り終わってすこしばかり綺麗になり、風景が回復しつつある

明日の試験炭焼きのために、刈った篠竹を軽トラに乗せて運ぶ。さて、この量で一体どのくらいの炭が手にはいることやら。

荒地再生炭焼きプロジェクト
炭焼きテストのため刈った材料(篠竹)を運搬。
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