イノシシがやってきた
イノシシがやってきた。
農業を始める前、都内に通勤していたときは、テレビのニュースでどこかの町に「イノシシ出没」ときいても、完全に他人事だった。
おー、すげー、イノシシが街中を歩いている
大変だな
山に食べ物がなくてイノシシも辛いんだろうな
そのくらいの印象しかない。
実際に中山間地といわれるところで農業をするようになり、アライグマ、ハクビシン、イノシシなどの野生動物に農作物を荒らされる被害に遭うと、印象はまったく変わってくる。目の前の荒らされた風景や食べ散らかされた作物は紛れもなく現実で、目をそらすことはできない。
荒らされたり食べられてしまえば、もちろん売り物にはならない。売り物どころか、自分たちで食べる分もなくなる。一度、やられると、その日から毎日のように同じ作物がどんどんやられていく。これは文字通り死活問題だ。あちらさんも生きるために食べに来る。こっちも生活のために対策を練らなければならない。
イノシシは田んぼにやってきた。荒らされた箇所はまだ多くなく、今から手を打てば、稲の全滅は防げる。
地元の猟師さんが「今年はあの田んぼの周り、イノシシくるぞ」と忠告してくれていたので、もともと田んぼの周りに電気柵を張り巡らせていたけれど、初めてやったもんだから張り方が下手くそで、長さが足りなくなってしまい、ぽっかり3メートルくらい入り口が開いた状態になっていた。つまり、電気柵とはいえ電気は通っていない。
独立して農業を始めたばかりで、まだまだ技術、能力、判断力など未熟な点ばかりということもあり、小さな田んぼとはいえ、畑の作付けと一緒に進めていくのはなかなか難しい。
そこをイノシシに狙われたわけだ。
ということで、急遽、周囲の人の力を借りて、ぽっかりあいた部分に電気柵を追加して通電。これでしばらくは安心のはず。(だけどまだちょっと心配…)
無事に稲刈りが終わりますように…。
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