西洋かぼちゃの在来種・固定種を探す

ほくほくした西洋かぼちゃの在来種、または固定種の種を探している。なかでも半年(できればそれ以上)くらいの長期貯蔵に耐えられる品種を見つけたいのだが、在来種といわれるかぼちゃは、肉質がしっとりしていて甘みの少ない日本かぼちゃばかりで、西洋かぼちゃの系統はなかなか見つからない。

探している最大の理由は、自分のところで種を採ってつないでいきたいからだ。自分の畑にあった強健な野菜を育てたい、種採りという農の大事な文化を残したい、やりがいを感じている、単純におもしろいなど、いろいろな思いの集合体が種採りにつながっている。

農の文化を残したいといっても、自分が細々と種を採り続けたところで文化が残るに至るとは思っていない。植物(作物を含む)と昆虫、鳥、微生物などのさまざまな生き物と人間が紡いできた生の鼓動には目もくれず、経済効率ばかりを推し進めようとする流れに抗うちっぽけな抵抗であり、非暴力の現代版百姓一揆みたいなものだ。

この小さな一揆が結集すれば、農の文化は残るかもしれない。

かぼちゃの種に話を戻す。

少ないながらも、いくつか在来種・固定種の種を見つけたものの、貯蔵性が高いのかどうかが判断できず、二の足を踏んでいる。

ひとつめは芳香青皮甘栗南瓜。日本で育種された最初の西洋かぼちゃらしい。販売されていて入手できるという点から、有力候補なのだけれど、販売店のサイトには貯蔵性について何も書かれていなかったため、問い合わせてみた。

すると、貯蔵を目的にして育成された品種ではないので、貯蔵性は高くないが具体的なデータは自社内にないのでわからない。育成元ならわかるかもしれない。

という回答とともに、育成先を紹介してくださった。

さっそく育成元に問い合わせると、やはり長く貯蔵できる品種ではなく、収穫後、1か月以内に食べたり販売したりするのがいいとのことだった。

貯蔵性を求めるのは、冬場に売れる野菜の種類を増やしたいからだ。うちは、ビニールハウスがなく(もともと使おうと思っていない)、作物はすべて露地栽培で、ビニールトンネルでの保温もしないから、冬場の野菜といえば、根菜類(人参、大根、ごぼう、山芋、里芋など)が中心で、それにかぼちゃやネギや白菜、ほうれん草(今年はほとんどとれなかった)などが加わる程しかない。

うちの栽培方法のまま冬に売れる野菜を増やすには、貯蔵することで味がのってくるかぼちゃはぜひ加えたい。一昨年から半年ほど貯蔵できる自然農法国際開発研究センターの「カンリー2号」を育てていて、その強健ぶり、味わい、貯蔵性ともに気に入っているのだけれど、交配種のため種がとりにくい。そこで在来種や固定種の種を探し始めたわけだけれど、なかなか見つからない。

もうひとつ見つけたのは山形の在来種「蔵王かぼちゃ」。ただ、こちらは種を販売しているところが見つからないから、入手は難しい。
https://www.yamagata.nmai.org/traditional_vegetables/y05_zaokabocha.html

ほかにも在来かぼちゃはいろいろ見つかるけれど、みな同じように種の販売先が見つからない。

こういうサイトも見つけた。
https://tanetsugibito.com/

そもそも、冬至にかぼちゃを食べるような、長期貯蔵を前提にした習慣はいつからあるのだろう? 冬至に食べるかぼちゃは、やはり日本かぼちゃだったのだろうか? それとも、昔は今より夏の気温は高くなかったから、今とはかぼちゃの作型が違い、夏に種をまいて晩秋に収穫していたのかもしれない。

http://www.ruralnet.or.jp/gn/201806/syubyouhou.htm
作物と向き合ってきた人の言葉はやはり違うなあと思った。

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