炭が田畑の土を豊かにするしくみ

炭には田畑の土を豊かにするさまざまな効果があることが立証されています。

荒地の篠竹を材料にして無煙炭化器で焼いた炭

荒地の篠竹を材料にして無煙炭化器で焼いた炭

もくじ

1.有用微生物の増殖効果

炭にはとても小さくて細い穴が無数にあり、その表面積は樹種によって差があるものの木炭(黒炭)の場合で1gあたり200〜300平方メートル、つまりピーナツほどの大きさの炭が畳にして150畳分もの表面積を持っていることになります。

この多孔質な構造が土の中で生きている有用微生物のすみかとなり、その微生物たちが有機物を分解し、作物にとって必要な養分を生み出す役割を果たすのです。

2、土の構造改善効果(団粒構造の発達)

無数の穴があいているため、土が水分や肥料分を保つ力を高め、同時に水はけと空気の通りを改善するなど、土の構造を向上させる働きもあり、その結果、作物の生育がよくなるのです。

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3、保温効果

炭は色が黒く、太陽熱をよく吸収するため、農地にまくと寒い季節には保温効果があります。その効果は、冬に1平方メートルあたり200gの粉炭をまいた場合で、地表の温度が7度も上がるというデータがあるほどです。(ただし保温効果についての数値は資料によってばらつきがあり、0.3〜1.5度ほどの上昇とするものもありますので過大評価はできません)

4、ミネラル分の補給効果

炭には数パーセントの灰が含まれ、この灰は植物の生育に必要なミネラル分となります。

5、酸性土壌の中和効果(アルカリ還元効果)

炭は弱アルカリ性~アルカリ性のため、酸性に傾いた土壌を中和する働きがあります。

▶︎▶︎参考資料
木炭の土壌改良効果(徳島県立農林水産総合技術支援センター森林林業研究所提供)
http://www.foresternet.jp/app/srch2/get_file/204 (PDF)

木炭の性質(林野庁)
http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/mokutan/seisitu.html

小川眞「熱帯農林業における共生微生物・炭の利用と炭素固定」関西総合環境センター 生物環境研究所、(土と微生物 vol.53 No,2, pp,73〜79 ,1999所収 2017年12月23日閲覧

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