自給率って何だろう?

スペルト小麦

横に葉を広げるスペルト小麦

暖かくなって、畑で存在感を増してきたスペルト小麦。

この小麦は一般に栽培されている普通小麦の祖先に当たり、小麦の在来種のような品種とも言える。だから、見慣れた小麦と比べると、姿形がなんか違う。

最初の写真はうちの畑のスペルト小麦、下の写真は近くの畑でよその人が栽培している普通小麦。

普通小麦

普通小麦の葉はびしっと立っている

普通小麦は、大型の機械でロスなく刈り取るため、葉が立つ(立性/たちせい)ように改良されている。

一方で、昔の姿をとどめるスペルト小麦は、なんか、もしゃー、っていうか、ぬめ~っていうか、そういう伸び方をしている。このまま這いつくばり、どこまでも横に広がっていきそうな姿だ。野草の滑莧(すぺりひゆ)を想起させる。

スペルト小麦

スペルト小麦を上から見るとこんな感じ

そして、やはり生命力は強そうだ。化学肥料とエネルギーをつぎ込んで収穫量をあげることを目的とした品種改良とは無縁だから、土の力だけでたくましく育つ。

たくさん取れること自体はもちろん否定しない。その喜びは身に沁みて感じている。それに、豊作は長い間、自分たちの暮らしの安全や安心を担保するものだったに違いない。

でも、豊作はまぎれもなく恵みだったが、今の時代の収穫量を上げるやり方はそれとは根本的に違う。ほとんど「買っている」のと同じだ。

まず、小麦の種を買う(国家的には「自給」かもしれんが😥)
小麦は肥料食いだから化学肥料を買う
(本来は肥沃な土でよく育つのであって、肥料食いとは違うが😥)
化学肥料の原料はほぼすべて遠い国外から買っている
ほかにも細かいことを言えばいろいろ買っている。

それで小麦がとれたら、
「自給率●●%!!」
と吠えている。

自給ってなんなんだろうか…

恵みだなんて言葉はもはやほとんど死語になったこの時代、自給率とかそういう数字合わせゴッコは置いといて、食べることってなんなのか、自分の仕事に直結するこの命題と向き合っていかなければと思う。

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