落ち葉と有機野菜の物々交換会

今日は昨年に続き落ち葉で物々交換会が開催された。

今回は一歩踏み込んで考えることにした。捨てられていた落ち葉が堆肥の材料になるということで、落ち葉を集めて持っていくと野菜や苗木と交換できるという話は、響きとして美しい。なんか良さそうである。そんな響きだけで広まってしまうと、このイベントの真価や意味がまったく伝わらない。それではまずいし、落ち葉を使う現場としては困る。

ということで、急遽、当日の朝、思い立ったが吉日ということで、考えたことをだだだーっとA4の紙にまとめたチラシ(以下)を作って、物々交換会の現場に立つおーんちゃんに託した。
(おれは、よりい週末有機農業塾があるので現場には立てない)

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●落ち葉堆肥や野菜についてのご案内
本日は落ち葉で物々交換会にご参加くださり、ありがとうございます。

<堆肥化ってどういうこと?>
落ち葉が野菜栽培に使える良質な堆肥になるまで、1年くらいかかります。堆肥化とは、小さな虫や微生物の力を借りて土に還すことです。その過程で、ふんわりたくさんあるように見える落ち葉は、体積が10分の1くらいに減ります。そのため、軽トラックなどで山のように落ち葉を集めても、堆肥として使えるのは大した量ではありません。
現状では、世の中の市街地に落ちる多くの落ち葉は使われず、掃除で集められた落ち葉は、エネルギーを使いゴミとして焼却されています。

●捨てると
太陽光エネルギー → 光合成 → 樹木の生長 → 落ち葉  → 焼却場
※焼却用燃料(エネルギー)を使い、太陽光エネルギーを捨てる

●使うと
太陽光エネルギー → 光合成 → 樹木の生長 → 落ち葉 → 堆肥 → 作物
※太陽光エネルギーを人間が食べられるエネルギー(作物)に変換する

<交換する野菜について>
●人参(黒田五寸人参/昭和初期に黒田正さんが育成した品種)
冬人参の種まきは真夏です。猛暑の焼き付けるような太陽のもと、種をまき、草をとり、間引き(人参は密に種をまいて競わせるように育て、途中で間引くことで強健に育ちます)、食べられるようになるまで3か月ほどかかります。

●葱(石倉一本葱/関東地方の伝統的な根深葱の品種)
この葱の種は去年の9月中旬にまきました。葱は発芽してしばらくは楊枝のように細くて小さいので草に負けやすく、細かな草管理が必要になります。無事に冬を越し、翌春に畑に植えつけてからは、梅雨から盛夏にかけて旺盛にのびる草に負けないよう、定期的に草を取ります。収穫は種をまいてからほぼ1年後(種を秋にまく場合)です。

●薩摩芋(紅東/関東地方の伝統的な品種)
薩摩芋は3月上旬ごろ、落ち葉を堆肥化するときに出る発酵熱を使い、種芋から芽を出させます。5月上旬ごろ、植え付けできる大きさに育ったものを順次、切って畑に植えます。
収穫は種芋を仕込んでから約7~8か月後です。
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地味な練習の日々があって、初めて発表会できれいな音色を奏でることができる。
本当に意味のあることは、見えないところで時間や労力がかかっていることを、このイベントに参加する人にきちんと理解して欲しい。

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