寄居北條まつりに共同出店 町の農業の活力を伝えたい

寄居北條まつりでの販売用に育てている野菜の苗

寄居北條まつりでの販売用に野菜の苗をいろいろ育てている

じゃじゃじゃーん、2018年5月13日(日)に開催される第57回、寄居北條まつりで、寄居町農林課が用意してくれる新規就農者の紹介ブースに野菜や苗を出すことになりましたー!

開催は場所は寄居町玉淀河原および市街地。詳しくはこちら!
https://www.town.yorii.saitama.jp/soshiki/13/57yoriihojo.html (寄居町ホームページ)

ところで、寄居北條まつりとは……。

 

 

寄居町観光協会のウェブサイトによると、

1590年(天正18年)豊臣秀吉の小田原攻めの時、鉢形城に陣取った郷土の武将北条氏邦は、5万人の豊臣勢を相手に、わずか3500人の兵力で1ヶ月余り攻防戦を続けました。この時の戦いを再現したものが「寄居北條祭り」です。祭りの当日は、大勢の武者隊たちが登場。市街地をパレードした後、北条・豊臣の両軍に分かれて、荒川を挟んで攻防戦を行います。その様子は、戦国時代の合戦さながらの迫力です。

http://yorii-kanko.jp/hojo.html

 
 

というお祭りだ。上記転載文中にある「鉢形城」は、寄居町鉢形地区にあったお城で、現在は戦国時代の代表的な城郭跡として国指定史跡になっている。

 
 

この寄居北條まつりの会場の一画に食の陣という飲食関係のコーナーが設けられ、その中に寄居町農林課のアイディアと協力で新規就農者の紹介や野菜などの販売をするブースを設置してもらえることになったというわけ。農林課のみなさん、オークンです!(オークンはカンボジア語で「ありがとう」の意、どうでもいい話だ)

 
 

この話をいただいたとき、5月上旬でどんな野菜がどのくらい用意できるか見通せなかったため、野菜の苗を売るのはどうかと提案したところ、ご快諾いただいたので、うちは野菜の苗を中心に、収穫できそうな野菜もあわせて出すことにした。

 
 

今年の春は気温が高く、ここ数日雨も降ってきたので、畑の野菜たちの勢いも増してきて、なんとか北條まつりでいくらかの野菜もお披露目できそう。よかった、よかった。

出す予定の苗は、サラダで食べられる野菜の苗を集めたもので、台所のプランターで育てて新鮮サラダを食べよう! というキャッチコピーで販売する予定。もちろん、農薬と化学肥料を使わない有機農法で育てた苗だ。

 
 

具体的には、水菜、からし菜、ルッコラ、べか菜、サニーレタス、レタスを今、用意している(種まきして育てているところ)
 
 
確定していないけれど、販売できそうな野菜は、茎ブロッコリー(スティックセニョール)、サニーレタス、玉レタス、サヤエンドウ、小カブなどかな‥。無事に育ちますように!
 
 
自分としては、寄居北條まつりで野菜や苗を売って売り上げを伸ばしたいという気持ちがゼロではないけれど、そんなことより、寄居町に新規就農者がいて、町の農業に活力があること、そして新規就農者が有機農業をやっていることを知って欲しくて、新規就農者ブース運営に協力をすることにした。

 
 
寄居町のような中山間地に位置する地域は、どこも同じような問題を抱えているだろうけれど、農地が荒れていくのをどうやって抑えるかがとても重要な課題になっていると思っている。高齢で農業をやめていく人は多い一方で、野菜の指定産地でもなく、新規就農者にとって特別優れた条件が整った地域というわけでもないこの町で新しく農業を始める人は数えられるほどだ。

 
 
ただ、補足しておくと、新規就農する場所は全国各地に多々あるなかで、ここ数年、寄居町内で新規就農した人が十数名いるという事実は驚異的なことだと思う。とはいえ、高齢化と人口現象が重なった耕作放棄地の問題を十数名の新規就農者だけではカバーできない。

 
 
うちのメインの畑のすぐ隣も、耕作放棄地になっていて、かなり荒れてきている。おそらくアライグマなどの寝床や隠れ家になっているはず。実際、アライグマくらいの大きさの獣の影を見かけたことはある。去年はそのアライグマに、トウモロコシと落花生を荒らされて散々な目にあった。

猟師がしかけた罠にかかったイノシシ

猟師がしかけた罠にかかったイノシシ

 

農業は自分一人(自分の畑)だけでは成り立たない。自分の畑だけうまくいって一人勝ち、ということは基本的に起こりえない。隣の畑が使われなくなって耕作放棄地が拡大すれば、山と人間が暮らす里との境界が曖昧になり、イノシシやシカ、アライグマ、ハクビシンなど、農作物を食害するさまざまな獣たちがやってくる。それは、自分の畑にも襲いかかるからだ。

 
 
他の産業なら、同業他社が廃業すれば競争相手が減って有利になることも多い。けれど農業、特に中山間地の農業は違う。農業をやめて荒廃する農地が増えることは、そこで農業を続ける他の農家にとっては脅威になる。

 
 
さらに人口減少という深刻な問題が重なれば、増えた空き家(人のいなくなった宅地)と耕作放棄地が重なって、もはやそこは人間が暮らす場所ではなくなってしまう。それはつまり、地域の消滅を意味する。そうなったら、農業どころの騒ぎではない。東京にいたときにはほとんど意識することのなかった高齢化を、中山間地で農業をするようになってひしひしと痛感している。現場にこないとわからないものだ。

 
 
同じ寄居町でも、農村部ではなく市街地に住み農業以外の仕事をしている人にとっては、おそらく農業をしている人とあまり接点がないだろうから、新規就農者がいるなんてこと自体、知らないだろう。町外に住んでいる人はなおさらだ。
だから、まずは知ってもらいたい。どんな問題でも解決の第一歩はまず現実を知ることだ。

 
 
基本的に活力のないところに人は集まらない。新規就農者がいることを伝えなければ、次の新規就農につながらない。

 
 
正直、今は自分の経営をいかにして成り立たせるかが最優先課題であって、地域のことを考える余裕や余力などないわけだけれど、自分の経営を成り立たせるというのは短期的な目標で、中長期的には地域の問題解決に向けて何かしなければならないという意識が自分を動かしている。これはなかなかしんどい。

 
 
町外からやってきた地元の繋がりがまだまだ薄い新規就農者にとって、地域の問題解決をひとりでやることは不可能だ。だから、町が何かやろうとしているのなら、協力しない理由はない。一人じゃやれないことも、誰かと一緒ならできる。やりたいのに自治体が協力してくれない、なんて話はよく聞くけれど、町が動いてくれるのに現場が動かないんじゃ、あまりにも情けない。

 
 
忙しいのを理由にしたら何もできやしないことは会社員時代の経験で身にしみている。忙しいのはみんな同じ。仕事に追われる毎日のなかで、いかにして時間を工面するか、そこが分かれ道になる。忙しいを理由にするのはつまらない。

 
 
ま、言葉で言うのは簡単で、実行するのは難しい。「ちょっと忙しいんですよね」って言ってしまうことも多々ある自分への戒めとしてあえて記しておく。また忙しいを理由にしそうになったときに読み返そう。

 
 

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