独立して農業を始めて1年たった

今年の7月で、独立して農業を始めて1年がたった。この1年はまさにあっという間に過ぎ去っていった。

なぜか一周年記念!という気分ではない。それより、何か失敗したりうまくできなかったりしたとき、
「まだ1年生だから仕方ないよな」
という自分に対する言い訳がもうできなくなるな、という気持ちでいる。
毎年、天候は一様ではなく、異常気象が常態化してなにが異常なのかわからなくなりつつある状態で、農業を始めたばかりの人間が安定して農産物を生み出していくのは簡単なことではない。何年やっても、何かしらの失敗はあるだろう。

ただ、1年を通してやった感覚は、うまくできなかった反省や、季節の移り変わりのなかでの作業の要点、流れ、風景などさまざまな記憶とあわせて、うっすらとした自信、いや、自信とまではいかないな、しっかりとした建物を建てるために必要な土台のごくごく基本的な部分がわずかに見えてきた、そんな心境も芽生えている。

それがどうどうと自信に変わったと言えるまで、何年かかるだろう。

うちの作物を食べてくださった方から嬉しい声も少しずつ届くようになった。
熊谷市にある農産物直売所の「わくわく広場」(ティアラ21店)さんへの出荷を担当してくれているおーんちゃんが、

「このきゅうり、えぐみがなくてすごくおいしいのよ」
と、一緒に買い物に来た人たちに勧めてくれている声とか、

「この間買ったナス、とってもおいしかったわ」
という感想とかを伝えてくれる。

今日も、ウェブサイト経由でひとつ、人参を買ってくださった方から嬉しいお問い合わせをいただいた。

毎日、文字通りくたくたになるまで土と向き合っている疲れが、一気に吹き飛ぶような気分になる。やはり食べてくださった方から届く声が一番の励みだ。

また今日もがんばろう。野菜や稲たちが待っている。

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