環境再生型農業に挑戦
自分の畑でも少しずつ環境再生型農業の実践を進めている。
まずは西瓜、空芯菜、蔓紫、紅ひゆ菜などの植え付け予定地に複数の種類の緑肥(土を肥やす効果のある作物)の種をまいた。
先駆者ゲイブブラウンさんによると、緑肥は多様性を持たせると、お互いの相乗効果で生育がよくなり、育土効果も高くなる。
今回はこの4種を混ぜてまいた。
エンバク(イネ科)
ヘアリーベッチ(マメ科)
このふたつは買った種。今年、種を取りたい。
スペルト小麦(イネ科)
去年、育てたものを種として利用。あと何年か種を取り続ければうちの畑の環境に適応してくるはず。
西洋からし菜(アブラナ科)
近くの土手で野生化したものから採種したからこの付近の環境に完全に適応している。
それぞれの緑肥作物に共生する菌根菌は、地下で複雑なネットワークを形成し、緑肥作物は根を経由して光合成で得たエネルギーを菌根菌に餌(通称、液体炭素)として与える。
その結果、土がどんどん炭素を蓄え、豊かになっていく。そこに野菜の苗を植えると、元気にたくましく育つ、という作戦だ。
耕やさないことで、土の内部の環境が壊されないから、土中や表層で生きる生き物たちも安定してくる。特定の種がはびこらないので、作物の食害も次第に収まっていく。薬物を使うわけではないのでゼロにはならないだろうけど、出荷できる範囲に収まれば事実上、被害はゼロになる。
無農薬とか無肥料とか、そんなのは農業のひとつの側面にしかすぎなくて、土の中の見えないところでは壮大な物語が展開されているのだ。
この根と菌根菌の関係は、人間の腸と腸内細菌との関係にとてもよく似ている。だから農薬(医薬品)や肥料(サプリメント)に頼りすぎると、健全な生育が阻害される。無農薬だから安心安全なわけではない。
いやあ、農業は学べば学ぶほどおもしろい。
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