市街地と農村の連携・共栄

剪定枝で堆肥づくり12月28日、市街地で出る落ち葉や木の枝を同じ町内の畑に運び、そこで堆肥づくりを体験するイベントをやることになった。

経緯はこうだ。

寄居町が進めている中心市街地活性化の一環で、町の街路樹をどうするかという話が出た際、ひとつの案として住民が主体的に樹木の選定から管理までを行う案が出てた。仮にその案でいく場合、維持管理の手間や費用はどうやって捻出するのかという課題が出たので、維持管理の一部である剪定枝や落ち葉の処理をうちが引き受けて堆肥化することを提案した。

それには大きく2つの理由がある。

ひとつは、有機農業を営む立場でできることで、地域のためになることがあるなら、可能な限り協力したいという想いだ。有機農業は、地域で出る有機物(落ち葉、草、木の枝など)を活用し、作物を生み出すというひとつの大きな特徴があり、それを実践できるいい機会だと思ったし、師匠から教わったその優れた特徴を農業とは直接関係のない人たちに、文字ではなく、体を使って現場で伝えることができるまたとないチャンスだとも思ったからだ。

もうひとつは、人々の目を村に向けるためだ。町づくりや地域活性化といっても、そうした流れは中心で発生するもので、周辺部への関心は薄い。国レベルでいえば、首都をはじめとする大都市がさまざまな動きの中心で、地方都市へは波及しにくい。地方のなかでも同じようなもので、まずはその地域の中心とされるところで、周辺部はそのあとだ。

そして、そのないがしろにされがちな周辺部で、ないがしろにされがちな農林水産業は行われている。この一致は何を意味するのだろう。

だから、村から出て、まずはその存在を知ってもらうために動くことにした。存在を知ってもらわなければ、関心を持ってもらえるはずもない。知ってもらうだけでは不十分なので、何か一緒にやるのがいい。協働は往来を生み、和や輪、環につながる。

市街地の人にとっては、堆肥づくりなんて、農業やってる人にしか関係ないでしょ、と思われるかもしれないけど、それだけじゃない。
ともすれば薄れたり、途切れたりしがちなつながりを自分たちの意志と力で取り戻したり、作り上げたりすること。
さらには、今まで関連がないと見なされてきたもの同士を結びつけて、新しい価値を生み出そうとすること。そういう側面がある。

町の人が落ち葉を集める(協働による人と人とのつながり)

町から村へ運ぶ(町と村のつながり)

堆肥(土の生き物と作物とのつながり)

野菜や豆、麦(町の緑と畑の土の結びつき)

町の人が食べる(地域の作物と地域の人とのつながり)

だから、目の前で作るのは堆肥だけど、その先で生まれるのはつながりや結びつきだ。
つながりや結びつきを生む堆肥づくり、多くの方のご参加を期待したいし、こうした動きがほかの地域でも生まれることを願っている。

あ、堆肥って臭いものだと思ってる人がいるかもしれないけど、質のいい堆肥は森の土のような香りで、臭くありませんよ!!

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