新規就農 農業経営に必要な住宅はどうやって探す?

新規就農を考える際、ひとつの大きな壁は家探しだ。ここでいう農業経営に適した家とは、農機具、出荷・栽培資材、イモなどの収穫物などをおく場所と、出荷作業をする場所がある家のこと。
  
新規就農は家探しだ、と言われることもあるほど、家探しは難儀する。都会の感覚だと、
「不動産屋に行けば見つかるだろ」
と思うかもしれないが、実際に家探しを始めてみればそれは大きな誤解だということにすぐ気づく。農村には空き家はあっても借りられるかどうかは別の話(農地も同じ)なのだ。

   

その地域の不動産屋を回る

基本的に新規就農者向けの不動産情報というのは不動産屋にはない、というのが自分の結論だが、売り家情報についてはタイミング次第なので、ダメ元で不動産屋にも早めに相談しておく。
   

自治体の空き家バンクを活用する

空き家バンクのある自治体は過疎化が進んでいるところなので、農家住宅情報も出るかもしれない。
(自分が探していた当時、寄居町には空き家バンクはなかった。)
   

役所の農林課や農業委員会に相談

新規就農情報の収集の際、役所の農林課や農業委員会に相談しに行くことがあったら、あわせて住宅のことも相談してみるとヒントが得られるかもしれない。
ただ、農林課や農業委員会は住宅の相談や斡旋をするための組織ではないので、そのことをわきまえて話をする必要がある。
 
 
ポイントは3つ。
1)まずは相談相手と人間関係をつくる
2)低姿勢で話す
3)その土地で農業をしたい熱意を伝える
   

研修先の農家を頼る

研修先の農家は通常、地元の人たちとの関係ができているし、その土地のことも知っているので、空き家情報などが届くことがある。ただし、こればかりはタイミング次第なので、相談してすぐに見つかるわけでもないし、確実に見つかるわけでもない。
または、研修先の農家にその地域の中心的な人を紹介してもらう。
   

地元の人との関係づくりに努める

研修中、地元の人と接する機会がいろいろあると思うので、そのときに積極的に挨拶したり声をかけたりして自分自身でも人間関係づくりをし、タイミングを見計らって「家を探している」ことを伝えてみれば、情報が届くかもしれない。
   

自分で探す

効率は悪く、最後の手段という感じだが、徒歩や自転車でその地域を回って空いていそうな家を探す。
見つかったら、以下の2つの方法で持ち主と連絡を取る。
   

その家の住所を調べて不動産屋に依頼

住所を調べ、該当する家が本当に空き家かどうか、空き家だった場合はどうしたいか(借りたい/買いたい)を伝え、家の持ち主と連絡を取ってもらう。 
ただ、調べてもらった結果、空き家でないこともあるし、空いていても貸さない/売らないということも多々ある。 
不動産屋にとっては賃貸より売買のほうが商売になるので、買いたい場合のほうが積極的に動いてくれると思う。
   

自分で持ち主に連絡して直談判する

その家の住所をもとに、その地域の役所の税務課(役所によって名称は異なるかもしれない)を訪ねて土地台帳を閲覧し、家の持ち主(相続人)の住所を調べる。
 
・相続人の住所と家の住所が同じ場合
書類上は空き家でないことになる。
 
・相続人の住所と家の住所が違う場合
空き家の可能性が高い
  
空き家の可能性がある場合は、その住所あてに買いたい/借りたい旨の手紙を書く。
ただ、知らない人から突然手紙が届いて「家を借してくれ(売ってくれ)」と言われても、構えてしまうのが普通だろう。 
下手をすれば新手の詐欺かと勘違いされる可能性だってある。余計なトラブルにならないためにも、文面には細心の注意を払う必要がある。
(当然のことだが、必ず返事が来るわけではない)
   

貸してもらえない/売ってもらえない理由のパターン

参考までに記しておくと、断られる理由はだいたい以下の6つに分類される。
 
1.まだどうするか考えていない
親が亡くなって空き家になり数年、という家の場合。この家をどうするかまだ考えていない、いつかは貸す、売ることを考えるけれど今すぐではない、というパターン。
 
2.人は住んでいないけれど使っている
物置としてつかったり、親戚や兄弟の集まる場として使ったりしている
 
3.仏壇がある
先祖代々の仏壇が残っているので他人には貸せない
 
4.人が住める状態じゃない
数十年、人が住んでいないのでボロボロ。または、空いているのは「はなれ」で風呂がついていない。風呂をつけるとなると百万単位の金がかかる(だから人には貸せない)
 
5.たまに帰ってくる
空いているように見えるけれど、施設などに入った人が月に一回くらい帰ってくる(完全に空き家にはなっていない)
 
6.片付けるのが面倒
最後まで住んでいたときの家財道具やいろいろな荷物がそのままになっていて、片付けるのが面倒臭いから貸したくない。