夏野菜育苗のための踏み込み温床づくり

2月中旬から夏野菜の種をまいて苗を育てるため、踏み込み温床を作り始めた。

踏み込み温床は、落ち葉と米ぬか、水を混ぜて発酵させ、その発酵熱を使って夏野菜の苗を育てる関東地方の伝統的な技術だ。落ち葉の代わりに植木の剪定枝を砕いてチップにしたものを使ったり、米ぬかとあわせて鶏糞やおからなどを加えたりする人もいる。

うちは養鶏をしていないし、まとまった量のおからを手に入れられるツテも今のところないので、落ち葉と米ぬか、水しか使っていない。地域で手に入る資源を活用して農業を営む、これが有機農業の基本だということを有機農業の里・小川町で研修したときに学んだ。

まず、竹を切り出してきて長さを揃える。

踏み込み温床の枠につかう竹の切り出し

踏み込み温床の枠につかう竹を切り出す。

その竹と稲わらで枠を組む。

踏み込み温床づくり

竹で枠を作ったら稲わらを差し込んで壁をつくる。

踏み込み温床づくり

竹の組み方。横に通す竹は縦に二つ割りしておく。

そこにたっぷりの水をかけながら落ち葉と米ぬかをサンドイッチ状に何層にも積んでいく。一層作ったら水をかけて足で体重をかけて強く踏み込み、もう一層作る、これを繰り返して枠の8分めくらいまで詰まるようにすればでき上がりだ。

作業自体は難しいことはなく単純なのだけれど、材料、特に落ち葉を集めるのがとても労力がかかる。水をかけて踏み込むとぺったんこになり、容積がぐっと減るため、大量の落ち葉が必要になる。うちの温床のサイズ(だいたい180センチ四方)で軽トラックの荷台にコンパネのあおりを立ててぎっしり詰めたものを2杯分投入しても少し足りないくらい。

さらに、落ち葉というのはこの季節、どこにでもあるけれど、まとまった量の落ち葉が拾えるところというのは限られている。温床を作るのは自分だけではないし、温床以外の目的で落ち葉を求める人もいるので、集めやすいところはすでに先手がいるものだ。

温床は5つくらい作る予定なので、軽トラで10杯分ほどの落ち葉が必要になる…。この冬一番の大きな仕事になるわけだ。温床として使い終わったあと、踏み込んだ落ち葉を畑の隅に積んでさらに分解させると、健全な苗を育てるのに使う落ち葉堆肥になる。

だから、踏み込み温床には二つの重要な役割があることになる。とても労力がかかるけれど、踏み込み温床づくりは、外してはいけない大事な仕事だ。

今日の作業は枠作りの途中までで終わり。

▶︎▶︎落ち葉の踏み込みについてはこちら

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