よりい週末有機農業塾 一般見学会

今日はよりい週末有機農業塾の一般見学会。

開催の目的は大きく二つ。
ひとつは、町の事業としてやっているこの農業塾を地域の方々に公開すること。もうひとつは、物事の根っこを見ようとする仲間を増やすことだ。

よりい週末有機農業塾見学会

今期、初めて開催したよりい週末有機農業塾の一般見学会の参加者の方々

今回は、どんな人たちがよりい週末有機農業塾に通っているのか、どんなことを学び、何を感じているのか、そういうことを見学会で伝えたくて、農業塾生のみなさんに前面に立ってもらい、11名の見学会参加者の前で、育てている作物や収穫方法について案内や説明をしてもらった。

自分の言葉で表現して他者に伝えることで、自分がどのくらい理解できているか再確認できるし、塾生と参加者とのちょっとした交流にもなる。

一番見せたいのは、畑ではなく、人だ。同じような立ち位置にいる農業塾生の人たちの生の声を聞き、触れることで、よりい週末有機農業塾という場や、自分で耕すという行為に、もう一歩踏み込んだ興味を持ってもらいたい。さらに、小さくてもいいから、実際に自分の手で畑を耕してみて欲しい。そんな願いを込めてみた。

すでに農業をしているおれがあれこれ話しても、職業として農業をするつもりのない人には、あまり響かないだろうけれど、自分や家族が食べるものを育てたいという志を持つ人の言葉なら、より染み渡るだろうという感覚があった。

よりい週末有機農業塾見学会
無農薬、オーガニック、自然の恵み、豊かな食材など、表面的できれいな響きの言葉ばかりが飛び交い、それらが成り立つために流される汗の量には無頓着な意識が定着しつつある。

これでは、有機農業の価値が正当に評価されず、広がることもない。

現場には興味がなく、ただオーガニックと叫ぶことが好きなだけの人たちには、田畑の声は届かないから、無駄な努力をするのはやめた。時間は限られているし、かけられる労力にも限度がある。

現場に興味があるけど、接点を見いだせなかった人たちと現場とのつながりを作ることに注力しよう。
わさわざ現場に来てくれる人たちなら、汗と土にまみれた匂いを感じてくれるはずだ。

よりい週末有機農業塾一般見学会
屁理屈抜きで、土に向かう生き方を心地よいと感じられる人たちとの関係性を、つながりを作り上げたい。

見学会の最後に、参加者の感想を聞いてみた。土に向かう喜び、塾生たちの表情に対する反応、自分の手で食べるものを取る楽しさ。嬉しい声がいくつも畑にこだました。

自分で食べるものを自分の手で生み出すのは、想像を越える苦労がある。ただ、喜びはそれを遥かに上回ることをこの小さな有機農業塾で伝えていきたい。おれにできることはその程度のことしかない。

ただ、その程度のことが継続によって局地的に大きなうねりになることがある。ぶっ倒れそうになりながら、この有機農業塾を続ける意味は、そこにある。

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